独り身の人生を送ることを考えたときに、老後や終活がまず頭に浮かびます。
早いうちから準備を進めていきたいところですが、そんなことよりも前に、そもそも一人暮らしをする上でまず考えておかなければならないこと。
それは体調の急変や、大怪我をしたときの対処です。
緊急時は突然やってくる
自身の経験ですが、数年前におそらく熱中症(自己診断)になりました。
ちょうど実家に帰っていた時だったので何事もなく済みましたが、自宅で一人きりの状況だったらどうなっていただろうと今でも考えます。
その日はまだ本格的な暑さもなく、特別体が疲れているわけでもない、ごく普通の休日でした。
下記はその時の経験談です。
病院で診察はしておらず、完全な自己診断なので、病状の判断の参考にはしないで下さい! あくまで動けなくなった時の経験談です。
①体を支える力がなくなり、立っていられなくなる
貧血の感覚も無ければ、めまいや立ちくらみも無い
重力に逆らえなくて、ただただ立っていられない
経験したことのない感覚だけど、まぁそのうち引くだろう
②とりあえずしゃがんで様子を見る
息が上がってくるが、めまい、頭痛、しびれなどは一切ない
強いて言えば若干の下痢時の腹痛と、頑張れば吐けそうな程度の吐き気
でも排便も嘔吐もできるような力が無い、無理にしたら余計どうにかなりそう
③しゃがんでもいられなくなり、壁にもたれて座り込む
症状は変わらないが、重力は酷くなっていく
全然良くならないことにそろそろ不安を覚える
④座り込んでもいられなくなり、床に倒れる
尋常じゃない汗が出る
もう腹痛も吐き気もないが、とにかく動けない
大量の汗で脱水症状になると思い、水を持ってきてもらう
頭も起こせないのでストローで飲む
水をコップ一杯飲むと、数分後に嘘みたいに回復
体調に異変を感じたら、携帯電話をそばに置く
幸運なことに、その時は一杯の水で何事もなかったかのように回復しました。
意識を失っても家族が救急車を呼ぶだろうという状況だったのでとりあえず水を頼みましたが、一人だったら水よりも救急車を優先させていたと思います。
でも果たしてあのとき携帯電話まで動けたか、火事場の馬鹿力で這っていけたかどうか。
水より優先させた結果、意識が混濁するまで悪化していたかもしれません。
これは本格的にまずいかも…と思ってからでは遅いです。
ほんの少しでも体調に異変を感じたら、動けるうちにまず携帯電話をそばに置きます。
おそらくほとんどが杞憂に終わるでしょう。
実際、なんか体調がおかしいなと感じることなど、そう珍しくないと思います。
そして大体の場合は、少し様子を見たら治るものです。
それはもちろん分かった上で、それでも毎回携帯電話のそばにいましょう。
スマートフォンの場合は、常に音声アシスト機能(Siri、Googleアシスタント)をオンにしておくといいと思います。
そうすれば最悪スマホまで手が届かなくても、死にそうな声でSiriやGoogleアシスタントに緊急連絡を頼むことができます。
あの時のような熱中症(自己診断)が一人暮らしの自宅で起きたとしたら、③の時点で救急車を呼んでよかったでしょうし、④でもギリギリ119番にかけるくらいは踏ん張れたと思います。
携帯電話さえそばにあれば。
救急車を呼ぶか迷ったときの#7119における注意点
救急車を呼ぶと決意するのは、とても勇気が必要です。
過去に呼んでもらったことがありますが、痛みにのたうち回りながらも、かなりためらいました。
119番する程の緊急性かどうか迷ったときに、#7119というものがあります。
電話口の医師や看護師に応急手当の方法や適切な医療機関を聞いたり、場合によっては救急車を出動させてくれたりするそうです。
すごくいいシステムだと思いましたが、よくよく調べると非常に重大なことが分かりました。
全国対応ではないそうです。
参考
#7119の対応地域 (令和2年10月1日現在)
【都道府県全域】
宮城、茨城、埼玉、東京、新潟、京都、大阪、奈良、鳥取、山口、徳島、福岡
【一部実施】
札幌市周辺、横浜市、神戸市周辺、田辺市周辺、広島市周辺
【#7119以外の番号で実施】
山形、栃木、千葉、香川
総務省消防庁のHPより参考
対応していない地域から#7119は利用できません。
全国に普及してくれるとありがたいです。
いざ救急車を呼ぶときに必ずしておきたいこと
一人暮らしの自宅から、無事に救急車を呼ぶことができたとします。無事でもなんでもないですが。
救急隊員が到着する前にしなければならないのが、玄関の鍵を開けることです。
物騒な世の中ですから、鍵に加えてチェーンもかけていることでしょう。
ひとり暮らしの防犯対策は厳重にしなければいけません。
しかしこれらの解錠ができていないと、玄関の鍵とチェーン、もしくは窓を破壊して室内に入ってもらうことになります。
賃貸の場合、管理人に鍵を開けてもらえたら一番いいですが、そう都合よくいくとは限りません。
来てくれた救急隊員に感謝しつつ、運ばれた病院で落ち着いてから思うことは、おそらく家の修繕費です。
救急隊員の方の手間を取らせないためにも、まず玄関の鍵を開けるようにしましょう。
できれば119番する前に開けておきたいです。
電話で症状を伝えている間に、もうすでに近くまで来てくれている場合もあるので。
財布、健康保険証、自宅の鍵は常にまとめて置いておく
救急車に乗せてもらったあと、今度はどなたかに玄関の鍵をかけてもらわなければなりません。
そして病院に行くなら財布と健康保険証は持って行きたい。
なので常日頃から、財布・健康保険証・自宅の鍵は、まとめて一ヶ所に置いておくといいです。
よく使うかばんに全部しまって、そのかばんを一目見て分かるところに置いておくのが一番いいと思います。
外出するなら持って出るし、家にいるなら隠しておく必要はありません。
そして必死で119番した携帯電話をそのかばんに入れてもらえば、最低限の準備は完了です。
緊急時というのは本当に突然やってきます。
持病がある人は当然として、現在持病がない人でも急激な体調悪化はいくらでも考えられますし、それこそ熱中症になる可能性だってあります。
一人暮らしをするということは、どんな状況でも、どんな状態でも、あらゆる場面で「頼れる人がいない」ことを想定しておかなければいけません。
いざという時のために、できるだけ備えておきましょう。
まとめ
- 少しでも体調不良を感じたら、携帯電話をそばに置く
- 自宅に一人なら救急車を呼ぶ判断は早めにする
- 動けるうちに玄関の鍵を開けて119番をする
- 財布・保険証・鍵は常にまとめて置いておく