大抵の人の｢恋愛しない｣と無性愛者の｢恋愛できない｣の違い

無性愛者とは、他者に恋愛感情や性的欲求を抱かない人のことです。

無性愛者（アロマンティック･アセクシュアル）は他者に恋愛感情を抱くことがありません。

私は度々、このブログで無性愛者を表すときに「恋愛しない」ではなく、「恋愛できない」という言い方をします。

自らの意志や事情で恋愛をしていないのではなくて、そもそも恋愛感情が発生しないので恋愛しようにもできないという意味を込めているのですが、これが正しく伝わっているのか実はあまり自信がありません。

簡潔に伝えるのは難しい

無性愛者ではない人の「恋愛しない」状態の心理と、無性愛の性質を持つ故に「恋愛できない」人の感覚というのは全く違います。

今回は、無性愛者である私なりに、考えられる限りの両者の差異を具体的に挙げてみました。

この記事は、性的関心を抱かないアセクシュアルではなく、恋愛感情を抱かないアロマンティックが主体の話になります。

無性愛者ではない人の「恋愛しない」

まず最初に、今現在恋愛をする気がない、もしくは今まで誰かを好きになったことがないけれど、恋愛感情を持つこと自体は可能な人（無性愛者ではない人）の心情を考えてみます。

自分、無性愛者だけど

何はともあれ大前提として言えることは、

過去にきちんとした恋愛経験がある

これだけで無性愛の性質から外れます。その人と交際したか否かは重要ではなく、誰かに恋をしたことがあるかどうかです。

おそらくこの前提条件だけで、大抵の人は無性愛者ではなくなると思います。

基本、恋するんだよね？

例えこれをクリアしていなくても、自身を無性愛者だと思っていないのなら、無性愛者ではありません。どこかで診断されるものではなく、自分の認識次第なので。

それでは、恋愛すること自体は可能である人が、現在恋愛しない理由として考えられるものを挙げてみます。

精一杯

仕事、勉強、学生生活、趣味などで手一杯で恋愛する時間がない

出会う機会がない

一人でいる方が好き

家族や友人と過ごす方が好き

自分に自信がない

他者と深く関わることに不安を覚える

恋人に求める条件や理想が高い

恋愛に対して積極的に行動する気力が湧かない

結婚願望がない

恋愛は自分にとって重大かつ重要なもので、気軽には考えられない

気になる人はいるけれど付き合いたいとは思わない

そもそも恋愛したくない

なんかもう面倒くさい

…この辺りが、恋愛をしない人の意識や心情として考えられるパターンかなと思います。

無性愛者ではない人の

大雑把な言い方をすれば、「恋愛する気が起きない」という状態です。

例えこの先もずっと恋愛する気になれない予感がしていても、自分の中に恋愛感情が発生することが感覚的に可能な気がするのなら、それは無性愛者の心理とは違います。

無性愛者の「恋愛できない」

では無性愛の性質を持つ人の「恋愛できない」とは一体どういう感覚なのか、無性愛者ではない人とどう違うのかを説明していきます。

まず無性愛の大前提として、

一度もまともな恋愛経験がない

という基準があります。これは他人の尺度ではなく、自身がどう判断しているかで決まります。

当社比的な

実際私は学生時代に、口約束だけのような、交際経験として数えるのもはばかられるような人が一人だけいます。

一週間と持たなかったそれは、自分が本当に恋愛感情を抱かない人間なのか確信を得る為のアクションでした。

９割５分、分かってたけど

とてもじゃないけれど「まともな恋愛経験」には該当しないと思っています。

このように、今までの経験を自分自身でどう認識しているかが重要です。

そして、先に挙げた無性愛者ではない人の心情パターン全てに、「そういうことじゃないんだよなー」と感じるのが無性愛者です。

上から順番にいくと、忙しくて時間がないわけではないし、出会う機会などあってもないし、一人が好きとも限らない…といった具合です。

どの項目にもいまいちピンときません。

本質を捉えてない

それに加えて、

どんな人でも好きになれる気がしない

恋ができないことに特に理由はない

自分の恋愛を想像できない

恋愛に憧れや理想はないし、恐怖心やトラウマもない

主観で誰かに恋愛相手としての評価をすることがない

というか相手という概念がない

恋愛に消極的でも受け身なわけでもなく、頭にない

自分の構成要素のどこにも恋愛成分が見当たらない

世の中の全ての人から恋愛的に愛されることはないとしても全く構わない

むしろほっとする

この先も一生誰かに恋をすることはないと言い切れる

…これくらいが、恋愛できるけどしない人との違いを、できるだけ伝わるように考えた言い方です。

伝わるかな…

「恋愛する気が起きない」のではなく、「恋愛する気が起こるかもしれない根源が存在しない」のです。

無性愛者ではない人の「恋愛しない」と、無性愛者の「恋愛できない」、両者の差異を自分なりに解説してみました。

簡潔に言い表すのも難しいですが、かといって細かく説明すればするほど「これで伝わるのか…？」と徐々に不安になりながら精一杯考えました。

無性愛者ではない人にも、なんとなく感覚が伝わればうれしいです。