NHKドラマ「恋せぬふたり」の感想を、無性愛者(アロマンティック・アセクシュアル)の人間が書いていきます。
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「恋せぬふたり」 第4話 感想
前回のラストで、咲子の元カレである同僚を助け階段から転がり落ちた高橋。
ノリでちょっと記憶喪失のふりをする高橋さんに、「えっへっ?えぇ?高橋さん、冗談とか言う人でしたっけ」と笑いながら言う咲子が可愛かったです。
命に別状はありませんでしたが、腕骨折と腰を痛めるというのは結構重症。
他者と接触できない人がこんな看護を要する怪我をしたら、心理的負担はとんでもないだろうなと思いました。
介助してくれる人への感謝や申し訳なさがあっても、接触による嫌悪感は別の話でしょうし。
もし一生軽減しないものなら、介護が必要な年齢になったら一体どれ程の思いをするんだろうと、他人事ながら考え込んでしまいました。
そういえば高橋さんが自身を「接触恐怖症」という言葉で表していないのは、厳密には違うからなのか、安易にそういった言葉を使わないようにしているのか。
高橋さん以外の人も使っていないので、ドラマ的にあまりそういう風に言い切ることはしないようにしてる感じですかね。
医学用語でもないだろうし
怪我の原因となった同僚かず君が責任をもって介助することになりましたが、これはどう思っていたんでしょう。
高橋さんは接触するなら異性より同性の方が若干マシなのか、力のある男性の方が触れる時間が短くて済むという考え方なのか、単純に小柄な女性の咲子だと体重をかけるには頼りなかっただけなのか。そんなところが地味に気になりました。
そして土下座して謝罪するかず君、結構素直なやつだなと思いました。
いちいちオーバーだけど
介助の大義名分を得たついでに、咲子と高橋の仲を探る元カレ同僚。
なにかにつけ、やっぱり恋人なんだろうとしつこくふたりに詰め寄ります。
かず君ほど強烈ではなくても、これと似たような状況は現実でもめちゃくちゃ起こります。
ほんの少し気安く話していたり、会話する機会が多いだけで、どっちがどっちを好きだのデキてるだのとまぁ簡単に言われます。
特別仲が良いわけじゃなくても、相手にも全くその気がなくても、ドン引きしながら否定しても言われます。決めてかかってきます。
学生時代ならともかく社会に出ても起こるので、もういい加減にしてくれよと正直うんざりしてしまいます。
そういうことを言うのはなんとなく女性に多いというイメージがあるかもしれませんが、実際は男性にもすごく多いです。しかもいい歳した男性も。
その度に、恋愛ってなんなんだこいつ本当すごいなと実感します。
このうんざり案件に関しては、恋愛できる人でも独身で恋人がいない間は味わっていると思うので、うんざり具合は共通していると思います。
もちろんそんな無神経なことを言い出さない、もしくは職場の人間の色恋沙汰なんて興味もないという人も男女問わずいますけど。
おそるべし、恋
病院に付き添い、職場にも連絡を入れ、これを機に緊急連絡先になる。徐々にふたりの家族度が増していきます。
一人暮らしで何が一番怖いかって、まさに急な体調不良や怪我ですからね。大げさに言えば死と隣り合わせです。
咲子と高橋さんはせっかく家族(仮)になったのだから、助け合うところは助け合ってこそですね。
かず君はひとりでギャアギャアわめいていましたが。
しかしかず君という人は、デリカシーはないし、人の話は聞かないし、悪気なく咲子に手料理を要求するし、声はでかいし、表情もうるさいですが、自分の考え方が絶対ではないと理解した時の素直さはちょっとすごいですね。
羨ましいくらい
高橋と咲子が住む家に(介助のため)上がり込み、間近でふたりの様子を眺め、なにかある度に恋愛に起因するものではないのだと説明され、やっと自分なりに「恋愛しない人」を理解し納得できた同僚かず君。
そんな彼が先々週、先週に引き続き、今週もまたラストシーンを持って行きました。「じゃあ俺でもよくない?」
咲子を理解し、決して触れないと約束するから、同居するのは自分でもいいじゃないかと言い出すかず君。
いやいや、それは駄目でしょ。違うでしょ。無理でしょ。
かず君は恋愛できる人間で、咲子にそういう意味の好意を持っている以上、アロマンティック・アセクシュアルを理解したところで高橋さんとの同居とは全然話が違ってきます。
恋愛できない人に恋愛できる人の気持ちの何が分かるんだと言われるかもしれませんが、それは無理な提案でしょう。
仮に咲子に想いを押し付けなかったとしても、いつか誰かと付き合う時がくるはずです。そうなれば確実に同居は解消です。
それは家族(仮)ではない。高橋さんとは違います。
ってきっぱり言うだろう!?と予告を見て不安になったまま、なんと次回はだいぶ先の2月21日放送です。
三週間後…!