セクシュアルマイノリティ(性的少数者)というと、同性愛や両性愛、トランスジェンダーを思い浮かべる人が多いと思います。
一昔前と比べて、現代ではかなり多くの人に様々な性質が認知されるようになりました。テレビやネットを通じていろんな人を知ったり、手軽に知識を得られるようになったのも大きな要因だと思います。
そんな今の時代でもおそらくあまり知られていないであろう性的少数者のひとつに、『無性愛』という性質があります。
少数者の中でも少数者であるその性質について、無性愛者である私自身が説明したいと思います。
無性愛者(アセクシュアル)とは?
無性愛者(アロマンティック・アセクシュアル)とは「他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かない」性質を持つ人のことです。
恋人はいらない、結婚する気もないと言うと、大抵の人から
・「まだ出会ってないだけ」
・「過去に何かあったの?」
・「そういう人ほど突然結婚しますって言い出す」
といった感じで返ってきます。ほぼ間違いなく言われます。
お決まりのように
でもそういう事ではありません。
無性愛者は、生涯、誰かに恋をする事はないのです。
アセクシュアルと表記されることが多いですが、アロマンティックと呼ばれることもあります。
詳しくはこちら
無性愛者とアセクシュアルとアロマンティックはどう違う?
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意識的に恋愛をしない人は含まれない
例えば「今は恋人はいらない」「恋愛を避けている」というような、自らの意志で恋愛をしていない人は無性愛者には含まれません。
過去の経験から恋愛を遠ざけている人や、恋愛に消極的な人という意味でもありません。
「恋愛できるけどしない」のではなく、「恋愛感情がないので恋愛できない」のが無性愛者です。
必要な要素を持ってない
「愛情」がないのではなく「恋愛感情」がない
「人を好きにならない」と言うと冷たいイメージを持たれるかもしれませんが、決してそうではありません。
冷たいかどうかはまた別の話で、無性愛者=愛がない人という訳ではないんです。
家族愛や友愛は抱きますし、同情心や共感性、執着心も持っています。
愛は持ってる!
そもそも無性愛者ではない人も、自身が持っている愛情すべてに恋愛感情が結びついているわけではないと思います。
その恋愛が結びついていない愛や情や好感を、無性愛者も同じように持っています。
ただ、誰に好意を抱こうと、そこに恋愛成分が含まれることはありません。
好みのタイプはある
他者に恋愛感情を抱くことはなくても、魅力を感じることはあります。
素敵だなと思う人の傾向、いわゆる好みのタイプというものもあります。
ただ、「素敵だな」とは思っても「付き合いたい」とは思いません。
おそらく無性愛者ではない人は、魅力を感じるその人が自分の性的指向に一致していれば、付き合いたいとかデートしてみたいという感情を持ったりすると思います。
対して無性愛者は、自分とどうこうなって欲しいという考えが存在しませんし、想像すらしません。
ですので好ましく思うその人が、既婚者だろうが同性愛者だろうが無性愛者だろうがどうでもいいのです。
無性愛者だったら話したい
無性愛者の割合は人口の1%?
この無性愛という性質を持つ人は、セクシュアルマイノリティの中でも相当少ないと言われています。私も自分以外の無性愛者に出会ったことは一度もありません。
本当に全然いない
そもそも当の本人である私自身も、自分の性質が無性愛と呼ばれる性的指向のひとつだなんて、少し前までは知りもしませんでした。
十代のころから一生恋愛しないだろうと自覚していましたが、じゃあこれって一体何なんだ?とまでは思い至りませんでした。
でもある日、ふと思い付くんです。ちょっとネットで調べてみようかと。
でもなんて検索したらいいか分からなくて、とりあえず「恋愛できない」みたいなことを入れてみるわけです。
すると出てくるページには、
・恋愛できない理由は?
・出会いが無い
・仕事が忙しい
・一人が楽
・昔のように感情が動かない
などの目次がパッと見えて、なんかちがーーう!!ってなるわけですよ。
そういうこっちゃない
でも検索ワードを変えていろいろ調べているうちに、「無性愛」という言葉を知りました。
あぁ自分以外にもいるんだなぁと実感しました。
初めて知ったときの経緯
「無性愛」に悩まない理由と、認知度の低さの理由
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無性愛者の割合は人口の1%程度と言われているらしいのですが、もちろん正確な数字は分からないでしょうし、はっきりと自覚していない人もいると思います。
ただ、ものすごく少ない事は確かです。
生涯ひとりで生きていくのか
恋愛感情がなければ当然結婚願望もないように思えますが、無性愛者でも結婚に関心がある人は意外といるそうです。
恋愛関係ではない人生のパートナーとして、共に生きていく人がいたら幸せだという考えなのだと思います。
そこまで大げさなものではなくても、今の時代ならルームシェアをする人もいるかもしれません。
ただ、ここからは極めて個人的な話ですが、
私は自身が生涯ひとりで生きていくのだろうと確信しています。
これはもうしょうがない
他人からすると、生涯独り身なんて寂し過ぎると思うかもしれません。
ですが、誰かと一緒になり、場合によっては子を持って、新しい家族を作るという事が不可能なので仕方ないのです。
そして、これは無性愛関係なく自身の性格ゆえだと思いますが、ひとりでいる事に寂しさを感じません。むしろひとりが好きです。
今も昔も
このように、生涯独り身を想定している無性愛者の方もたくさんいるのではないでしょうか。
このブログでは、「無性愛者であるということ」について、もっと詳しく紹介していきます。
そして無性愛者でもそうでなくても、生涯ひとりで生きていくと決めている人が参考にできる記事を書いていけたらと思います。