無性愛者(アセクシュアル)とは、他者に恋愛感情や性的欲求を抱かない人のことです。
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無性愛者(アセクシュアル)とは?恋愛感情がない人もいる
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性的少数者(セクシュアルマイノリティ)に属する性質は、厳密に分けるととてもたくさんの種類があります。
人数が少ないと言われる「無性愛者」も、全員が同じ感覚を持っているわけではありません。
名称の定義がはっきりしていなかったり、日本と海外では意味合いが少し違ったりするので混乱しますが、自分なりに無性愛者の中でも人それぞれ異なる様々な性質の違いについて説明していきます。
無性愛者(アセクシュアル)の定義の違い
「恋愛しない人」で調べるとアセクシュアルやら無性愛やらアロマンティックやら知らない言葉ばかりでよく分からなくなりますが、まず最初に、無性愛者=アセクシュアルです。これが一番上の分類です。
異性愛、同性愛、両性愛にならぶ性質として、無性愛があります。
ここから、無性愛目〇〇科〇〇属みたいに分かれていきます。
分類階級的に言えば
そしてその肝心な無性愛者(アセクシュアル)の定義ですが、当ブログでは「恋愛感情や性的欲求を抱かない性質を持つ人」と紹介しています。
これは正確に言えば日本における無性愛者の定義で、実は英語圏でのアセクシュアルは少し意味合いが違ってくる場合があります。
英語圏では、アセクシュアルとは一般的に「性的関心を抱かない人」と定義しています。
なので性的欲求を感じないけれど恋愛はできるという人でもアセクシュアルと呼ばれます。
ただ、英語圏でもその定義については様々な意見があるので、もしかしたら10年後には変わっているかもしれません。
ややこしい…
アロマンティックとは
英語圏においてアセクシュアルが 「性的関心を抱かない人」 とするなら、アロマンティックは「恋愛感情を抱かない人」です。
セクシュアル(性的)の頭に否定の意味のAが付いて「アセクシュアル」、ロマンティック(恋愛)の頭にAが付いて「アロマンティック」 と読みます。
できるだけ簡潔に説明するために、性的関心を「性」、恋愛感情を「恋愛」と表します。
アセクシュアルが性は✕で恋愛は〇とすると、次は恋愛面において、ヘテロセクシュアル(異性愛者)、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルなどの性的指向に分かれます。
そしてアセクシュアルにとっての性的指向は、「性的」ではなく恋愛的な意味だけを持つことを表すために、「セクシュアル」ではなく「ロマンティック」という言葉が使われる場合が多いです。
性的指向じゃなく恋愛的指向という意味
こうして分類すると、以下のように分かれます。
● アセクシュアル
性✕
● アロマンティック
恋愛✕
● ヘテロロマンティック
恋愛〇 異性に惹かれる
● ホモロマンティック
恋愛〇 同性に惹かれる
● バイロマンティック
恋愛〇 両性に惹かれる
● パンロマンティック
恋愛〇 男女性の分類に適合しない人も含め、あらゆる人に惹かれる
これに当てはめると、日本で言うところの無性愛者である「他者に恋愛感情や性的欲求を抱かない人」というのは、アロマンティック アセクシュアルと呼ばれます。
恋愛✕ 性✕ の人
またロマンティックは恋愛的指向という意味なので、無性愛者だけに使われるわけではありません。
例えば両性に恋愛感情が向くけれど性的魅力を感じるのは異性だけという人は、バイロマンティック ヘテロセクシュアルと呼ばれます。
恋愛的指向と性的指向を両方並べることによって、個人の性質をより正確に表現することができます。
少数派はとにかく認知度が低い
上記で説明したのは多種多様な性的・恋愛的指向のごく一部ですが、それでもここまで細かい分類を知っている人は性的少数者でも少ないと思います。
無性愛者である私自身も、ブログを始めるにあたって詳しく調べるまでは全く知りませんでした。
そもそも大多数の人は性的指向と恋愛的指向を区別していないので、ロマンティックという呼称が広く知られるようになるのはまだまだ先のことになる気がします。
おそらくそうした事情もあり、日本における無性愛者の定義が英語圏とは少し違っているのだと思います。
というか英語圏でも意見が様々
当ブログではこれからも当分、「アロマンティック アセクシュアル」ではなく、日本における意味での「無性愛者」という表現を使っていこうと思います。
正直あまり馴染みのない横文字に目が滑るからという理由もありますが、もう少し世間に恋愛的指向やロマンティックという言葉が浸透してから自らも使っていこうと考えています。